每年7、8月は「青鱗魚(サッパ)」の最盛期です。青鱗魚は走行性があり、百年あまり前、先人たちはこれを利用した「磺火漁法-蹦火仔」を生み出し、台湾北海岸独自の文化となりました。磺石に水を加えて生まれた可燃性の気体「アセンチレンガス」を利用して船の先頭で火を点けます。火が燃え上がると、光に導かれた青鱗魚が海面で踊り出します。アセチレンガスが燃える瞬間は「ポン」という巨大な音が響き渡ります。「蹦火漁船」の火が次々と点いていく様子は「磺港漁火」という名称で呼ばれ、金山八景に選ばれています。
「蹦火仔」の文化を絶やさないため、金山の郷土史研究家は民間の団体や地方行政と長年の間、奔走し、努力し続けてきました。これにより2015年には「新北市無形文化資産」に指定されることに成功しました。「富吉268号」の蹦火漁船の「火長(航行を導く人)」は簡士凱という地元に戻ってきた青年です。彼は台湾最後の「蹦火漁船」の舵を取るという重責を担っており、百年続く技芸を継承しています。
8月19日から金山ビジターセンターで開催される「金山蹦火漁業文化展」では伝統的な蹦火漁業を再現し、インタラクティブに知識を得られるようになっています。ここでは金山特有の漁業文化について学ぶことができます。








