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「2024年フォルモサ北海岸アートフェスティバル」の開催期間を11月20日まで延長。

北海岸に広がる「濱線測繪(海岸線の測量・描写)」の波にあなたはもう乗っていますか?今年の秋以降、北観処が主催する「2024年フォルモサ北海岸アートフェスティバル」は、5月から開始されたプレイベントやアートワークショップの成果を引っ提げ、3千人以上を引き寄せた「秋嵐邨音楽会」で開幕しました。すべてのアート作品は北海岸エリアの合計21か所の展示会場で華やかに展示されており、展覧会は間もなく最後のカウントダウンに入ります。ぜひお見逃しのないようにお越しください。

 

住民参加型ワークショップ、地域デザインの持続可能性を実践

2024年のアートフェスティバルでは10月15日に日本の地域デザイン専門家である山崎亮氏を特別に招き、《アートフェスティバルと地域デザイン≫というテーマで講演を開きました。会場では北海岸の地元のチームとともに文化、社会、環境の3つの面から北海岸の地域的独自性と持続可能な未来を共に探りました。

このアートフェスティバルは地域との結びつきを深めるため、25人のアーティストが滞在制作を行い、約20回のワークショップが催され、のべ300人以上の方が参加しました。ワークショップ後には参加者と共同で制作した作品が現地で展示されたり、地域を舞台に創作した成果物が披露されたりしました。例えば、万里大鵬足湯公園ではアーティストの李承亮が《気候中站》風鈴ワークショップを通じて市民と一緒に編んだ風鈴の物語を作品に組み込み、海風と共鳴する小さな涼亭を作り上げました。また、アーティストの林資芬は二度のワークショップで参加者と共に作り上げた、海洋廃材を使用した《造浪》という波しぶきのフリンジを中角湾ビジターセンターのそばに設置しました。訪問者の目玉のフォトスポットの一つとなっています。

アーティストの劉致宏は6月に石門区の乾華小学校の生徒や地域住民を率いて、「一顆石頭,一片海洋(一つの石、一片の海)」というワークショップを開催しました。ワークショップではサツマイモをカットしたものを使って彫刻や拓印を制作。展示会が始まると、これらの作品は現地の装置に貼り付けられ、「石門白日夢Tea & Café」で観光客が鑑賞できるようになっています。

アーティストの劉子平は、《北海岸植物氰版藍曬》というワークショップでの成果を活用し、金山の「海上日出海洋カフェ」を彩りました。これにより来訪者はアート作品と空間が融合した美しい風景を楽しむことができました。

アーティストの李珮瑜は萬金地区の温泉文化に着目し、地域住民を「公共温泉私領域ワークショップ」に招待しました。このワークショップでは参加者の体の一部を型取りして陶製の水管を制作し、日常的に耳にする小話を鉛字で刻印しました。その成果は金山豊漁地区の温泉施設に展示されました。

 

アートを多様な形式で表現、「アートは生活そのもの」という理念を実践。

本年度の芸術祭では多くの参加者がさまざまな展示スタイルを披露しました。山と海の概念から出発した「太認真」(郭柏俞と佘文瑛)のアートデュオは、オランダ在住のデザイナー頼亭安と協力し、新素材「地質ポリマー(Geopolymer)」を運用し、北海岸で集めた海洋廃材を取り入れた造形実験を行ないました。その成果である《青鱗磺火》は金山磺港大橋のバス停に展示されています。

アーティストの洪韵婷と蔡坤霖は、地域住民とともに金山の人々の心の中のいくつかの「大廟」(大きな寺)を訪れ、手作りのお供え物を粘土で作るワークショップを実施しました。さらに、可動式のお供え物のお皿や採取した音を組み合わせて、「移動の金山音景色」というフィールドワークを完成させました。その作品は金山ビジターセンターで展示されています。王秀茹は《海辺の鳥地方-海浜シルエット計画》で沿岸地域の植物と鳥類のシルエットを調査・描写し、舞踊家の于明珠とともに老梅小学校で身体の動きを取り入れたワークショップを行ないました。その結果として石門富貴角風アートキャンプエリアに北海岸の植物や鳥類を表現した壁画を設置しました。鄭琬蒨は《三芝聲響再造》というワークショップで参加者とともに音を聴き、観察し、探索し、組み合わせ、音の瞬間を呼び覚ましました。10月13日に三芝渓の突き当りにある秘境・匕匕庄でパフォーマンスを行ないました。

また、一般市民の方たちとともに作り上げた作品のほかにも、音とアートを組み合わせた展示があります。アーティストの呂沐芢は《山海合奏曲25-121》という作品を発表。これは風や波などの自然の要素を人工センサーと組み合わせ、不規則な自然の音を抽出し、純粋なピアノの旋律に変換させたものです。この作品は金山朱銘美術館で展示され、訪問者を魅了しています。

 

道路から海辺、ビーチから登山道に至るまで、至る所でアートフェスティバルの痕跡が見られます。

第一回と比較して今年のアートフェスティバルは地域との連携をさらに強化し、積極的にコミュニティとの繋がりを深め、北海岸のあらゆる場面に芸術の参加を取り入れています。台2号線沿いのバス停ではアーティストの陳麒任、簡俊成、羅景中がそれぞれ復興高校や金山中学の学生を指導し、《十二ヶ所のバス停の華麗なる変身》を完成させました。環境教育と芸術創作を結びつけ、学生たちは北海岸の公共空間の改造に参加しました。

また、アーティストの李慈湄は作品《死語,生韻》を金山獅頭山登山道の涼亭に設置しました。かつて記録された巴賽語(バサイ語)の韻律を現代実験電子音楽の音響装置に変え、聴く者に消滅した言語が現在でも震え続けることを感じさせます。アーティストの石孟鑫は基隆湖海湾で《羽毛》を発表し、湖の入り江から遠くの小島である基隆嶼を望みます。遠くの小島は私たちに多くの想像をもたらし、小島から見る景色はどのようなものか興味をもたらします。

アーティストの陳肇驊は金山老街のビーチで漂流木を使い、潮の動きを反映する機動装置《水不平,心不靜》を作り上げました。この巨大な水平器のような作品は、安定とバランスの意味を考えさせます。李勇志は石門洞の潮間帯に6枚の塗装された鉄板を使って《月蝕》を設置し、月の満ち欠けを表現しました。江慧琳は三芝雙湾サイクリングロードの軍人用トーチカに砂地に生える濱刺麦をモチーフにした作品《風中漫漫》を置き、北海岸の長く続く海岸線の風景を反映し、夏のある日の午後、家族と共に海岸で遊んだ記憶を呼び起こさせました。

アーティストの楊景堯は自身の三芝虹橋にあるアトリエを用いて、没入型の書と絵の空間を作り、《地.符.文字獣》という作品を発表しました。この作品では合体字の概念を取り入れ、文字とイメージを結びつけ、生きているかのような「文字獣」を生み出しています。

 

専門家が案内するアートツアー、没入型体験もアートフェスティバル参加の方法の一つです。

本年度のアートフェスティバルではアート作品の展示に加えて、観光ツアーも取り入れ、参加者をたくさんのアート空間へと案内しました。たとえば、「陽住国際山海芸術センター」が主催する「芝蘭三堡芸術集落ツアー」では芸術探索を通じて古今を結びつけ、地域に根付くアートライフの発展をより深く理解できるようにしました。アーティストの姚瑞中は「巨神、龍宮から地獄へ」をテーマに北海岸の三つの廟を訪れるガイドツアーを実施し、三芝ビジターセンターの展示されている写真《地獄空の八仙が海を渡り、龍宮へ到着+魔地仏》に呼応しました。

三芝に位置する「子隆山房」はアートフェスティバルと連携し、訪問者に園内に常設された張子隆の彫刻作品を実際に体験してもらい、滞在中のアーティストとの交流を通じて、芸術と自然が融合する独特な雰囲気を感じてもらうことを目的としています。金山の地域団体「浪金山」は「北海岸アートポッドキャスト」プロジェクトを通じて、アートフェスティバルの大小様々な話題を紹介し、オンラインポッドキャストプラットフォームでキュレーター、アーティスト、参加者と対話し、今回のアートフェスティバルについて語り合いました。

2024年フォルモサ北海岸アートフェスティバルは9月28日から3週間にわたって開催され、10月20日に終了する予定でしたが、開催期間中に台風の影響を受け、多くの人々が十分に楽しむことができなかったことを考慮し、北観処は特別に金山の朱銘美術館で展示されている《山海合奏曲25-121》、中角湾ビジターセンターの《造浪》、および万里大鵬足湯公園の《気候中站》など、3つの大型作品の展示期間を11月20日まで延長しました。秋が深まり涼しくなるこの時期、金山・万里地域で温泉を楽しみながら、展示を観覧しアートフェスティバルへ参加することをお勧めします。

呂沐芢

呂沐芢の朱銘美術館での展示《山海合奏曲 25-121》は11月20日まで展示期間を延長

李承亮

李承亮の万里大鵬足湯公園での展示《気候中站》は11月20日まで展示期間を延長

林資芬

林資芬の金山中角湾ビジターセンターでの展示《造浪》は11月20日まで展示期間を延長

山崎亮

日本のコミュニティデザインの大家、山崎亮は10月15日に《アートフェスティバルとコミュニティデザイン》をテーマに市民の皆様に経験を分かち合いました。

王藁賢

陽住国際山海芸術センターの王藁賢

蔡元培

地元のチーム「浪金山」の共同創設者、蔡元培

記念撮影

10月15日、イベント参加者と講師の記念撮影

鄭琬蒨

10月13日、アーティスト・鄭琬蒨は「聴く、観察する、探索する、組み合わせる」ことを通して参加者が音の中から聴覚の瞬間を呼び起こせるワークショップを実施しました。

最終更新日:2024-11-15
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